星野伸之から見たオリックス岸田護監督の采配の特徴 投手起用に長けた一方、課題は? (2ページ目)
【後半戦に向けた采配のポイントは?】
――今後に向け、采配のポイントを挙げるとしたら?
星野 若手の起用法です。来田涼斗は固め打ちをしたり印象的な一打を打ったりしますが、やはり継続していかないと信頼は得られません。以前なら簡単に三振してしまう場面でもある程度は粘れるようになって、甘い球を仕留める確率は向上していると感じますけど、試合に出続けるには安定した打撃に加え、守備面での安定感も求められますしね。
チームは昨年5位だったとはいえ、その前年までリーグ3連覇を経験した実力者もある程度いますし、そこに若手が食い込んでいくのは大変です。ただ、野手の故障者が増えているので、そういう意味では思い切った若手の起用もしやすい。後半戦では、いかに若手を起用していくかがポイントになりそうです。
――もっと若手が出てきてほしいところでしょうか。
星野 今の流れだと、来田は昨年よりも出場試合数が増えそうですが、もうひとりくらいは出てくるような雰囲気があります。先日、一軍に昇格した横山聖哉をどう起用していくのかも楽しみですし、渡部遼人や元謙太らが少ないチャンスをどう生かすか。やはり、若手の活躍はチームを勢いづけますからね。
あと、中嶋前監督が言っていた「状態が悪かった選手の状態が上がれば、それは"新戦力"だ」という考え方を、岸田監督も継承しているように見受けられます。7月9日に一軍に再昇格した福田周平の起用法なども今後は楽しみです。
野口智哉は肩が強いし、バッティングのポテンシャルはあるので、安定してくれば野口も戦力になると思います。岸田監督やコーチ陣が、その日の練習の状態で選手の調子を見極める"目利き"になれるかどうか。そういう部分にも注目していきたいですね。
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