星野伸之が挙げるオリックス巻き返しのキーマンは? 期待のルーキーや新戦力の状態を分析 (2ページ目)
【新加入の九里や本田にかかる期待】
――新外国人選手はいかがですか? 外野手のエドワード・オリバレス選手、内野手のジョーダン・ディアス選手が加入しました。
星野 オリバレスは守備が心配ですね。バッティングもまだヒットが出ていないので(3月11日時点/以下同)不安ではありますが、外国人選手はシーズンに入って打ち始めることもありますし読めないところがあります。それはディアスに関しても同じです。
――新戦力といえば、広島から海外FA権を行使し加入した九里亜蓮投手も大きいですね。
星野 ここまでのピッチングを見ていて思うのは、動かす球が多いこと。キャンプでは初日からブルペンに入って体は元気そうでしたし、体力面の心配はなさそうです。広島時代と同じように多くのイニングを投げてくれるとリリーフも助かりますね。山下舜平大の腰の状態が心配ですし、先発陣に九里が加わってくれたことは本当に心強いと思いますよ。心配なのは田嶋大樹です。
――田嶋投手は、腕が横振りになっていますね。
星野 今までの投げ方だと、うまく力が抜けなかったんだと思います。どうしても力んでしまうからか5回か6回しか持たなかった。脱力してリリースの瞬間に力を集中できれば、球数を増やせると考えているのでしょうが......腕の振りが、以前よりも鋭くないんです。なので、うまくいかなければ以前の投げ方に戻して、"5回全力"みたいな先発でもいいのかなと。
ほかの先発では、椋木蓮もキャンプで見た限りではよかったです。トミー・ジョン手術をする前からいい球を投げていましたし、カットボールを独自で改良した「ライズカット(浮き上がるような軌道)」と呼んでいる球が割としっくりきているようです。心の支えになるような球種がひとつでも増えると、ピッチャーにとっては大きいですよ。
――高卒2年目の左腕・東松快征投手は投げっぷりがいいですね。
星野 真っすぐは150km出ていますし、スライダーやフォークも武器になります。期待はされていると思いますが、もう少し結果を残してからじゃないですか。ファームでも、まだそこまでいい成績を残していないので。ただ、若い選手は急激に伸びたりしますし、同じ左腕の宮城大弥の例もありますからね。まずはビハインドの場面で投げさせてみても面白いかもしれません。
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