高木豊がセ・リーグのドラフトを3段階で評価 最高評価の2球団はどこか? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆阪神【△】

 1位は即戦力として期待の左腕・伊原陵人(投手/NTT西日本)。2位の今朝丸裕喜(投手/報徳学園高)は長身から投げ下ろす直球が武器で変化球の精度も高く、今春のセンバツでも活躍。また、4位の町田隼乙(捕手/武蔵ヒートベアーズ)をはじめ、育成枠を含めた全9選手のうち、5人の選手を独立リーグから指名したことも大きな特徴だ(支配下で2人、育成枠で3人)。

「シーズン中に岡田彰布元監督と神宮球場のベンチに座って話したのですが、『阪神は甲子園の風向きを考慮して右バッターが多い。だから左バッターが欲しい』ということを言っていました。もちろんピッチャーは何人いてもいいのですが、野手の補強に関する考え方は藤川球児監督になって少し方向転換したのかなと。

 1位の伊原はボールのキレがよく、阪神でいえば伊藤将司みたいになってくれればいいですよね。伊原以外にも投手の指名が目立ちましたが、傾向としてはパワーピッチャーの指名が多い気がします。

 4位で指名した町田は大型のキャッチャー。広角に長打が打てて肩も強いですし、キャッチャー陣にとっていい刺激になるんじゃないですか。ただ全体としては、もう少し将来を見据えて素材型のピッチャーの指名が欲しかったところです」

1位 伊原陵人(投手/NTT西日本)

2位 今朝丸裕喜(投手/報徳学園高)

3位 木下里都(投手/KMGホールディングス)

4位 町田隼乙(捕手/武蔵ヒートベアーズ)

5位 佐野太陽(内野手/富山GRNサンダーバーズ)

◆DeNA【〇】

 26年ぶりに日本一に輝いたDeNAは、1位で制球力が高い即戦力右腕・竹田祐(投手/三菱重工West)を獲得。2位は、最速157キロの直球と多彩な変化球を投げ分ける本格派右腕・篠木健太郎(投手/法政大)を、3位は強肩強打の大型ショート・加藤響(内野手/徳島インディゴソックス)を指名した。

「補強ポイントは明らかにピッチャーでしたからね。金丸は外しましたが、即戦力で期待の投手を中心とした指名はよかったんじゃないですか。竹田はまとまっていて試合を作れそうですし、これまでの経験値や年齢を考えても1年目から先発ローテーションの一角を任せたいはずですが、どうなるか。

 篠木はマウンドでの躍動感がありますし、強気なところがプロ向きだと思います。ただ、登板過多の影響もあってか球威が落ち気味ですし、コンディションが懸念材料です。全体としては、長期的な視点というより来季に勝つための補強を重視した印象です。先発ピッチャーが手薄なので、竹田や篠木らが食い込んでいけるかに注目です」

1位 竹田祐(投手/三菱重工West)

2位 篠木健太郎(投手/法政大)

3位 加藤響(内野手/徳島インディゴソックス)

4位 若松尚輝(投手/高知ファイティングドッグス)

5位 田内真翔(内野手/おかやま山陽)

6位 坂口翔颯(投手/国学院大)

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