【日本シリーズ2024】1998年マシンガン打線より「迫力は上」と石井琢朗コーチ 「なんでこのチームが3位なの?」DeNAが驚きの覚醒
【覚醒したベイスターズ打線】
勢いに乗ったベイスターズは恐いーー。第3戦の原稿の締めに書いたこの言葉を、福岡3連戦が終わった今、あらためて噛み締めている。
10月31日、横浜DeNAベイスターズと福岡ソフトバンクホークスの日本シリーズ第5戦、13安打7得点。8回以外三者凡退はなしの先発全員安打と、ついにベイスターズ打線が完全に目を覚ました。
日本シリーズ第5戦でホームランを放った牧秀悟(右)と勝利投手のアンドレ・ジャクソン(左) photo by Kyodo News
「なんでこのチームが3位なの?」「こんなチームだったっけ?」。後ろの席にいたホークスファンからそんな声が聞こえてくるほど、第1、2戦目とは別人格となったかのように投打がかみ合い、今季最高ともいえるパフォーマンスを見せている。
とくに打線はこの日も福岡初戦で掴んだ勢いを、意地でも離そうとしなかった。初回から2死1、2塁、2回は2死満塁とチャンスを作る。あと一本が出なかったが、それでも攻撃の手はひるまない。
第3戦のあとに石井琢朗コーチが言った、チャンスをつぶしてもつぶしても、ひるまずに何度でもチャンスを作り続ける「"チャンスのあとにチャンスあり"の精神」を体現していた。あらためて、石井コーチが語る。
「残塁がいくつだ、タイムリーが出ないとかって、シーズン中にはよくある話で、反省することはもちろん大事なんですけど、短期決戦ではそれを気にしていたってしょうがない。とにかく今は得点をするためにチャンスを数多く作っていくしかない。
何でもいいからとくかく塁に出てチャンスを作る! 点を取れなかったらもう一回チャンスを作って得点圏を作る! っていうその繰り返しでやっていくしかないんですよ」
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著者プロフィール
村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)
1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。