ヤクルト戦力外から5年。飯原誉士が独立リーグで最も驚いた選手同士の関係 (4ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

 打撃練習を見守る飯原コーチのもとに、福川将和バッテリーコーチ、畠山和洋打撃コーチ、中澤雅人マネージャーなど懐かしい面々が集まり笑っている。

「友だちがたくさんいた」

 ベンチに戻ってきた飯原コーチはスタッフにそう言って笑顔を見せた。

「本当に久々の再会でした。同じ指導者として、練習方法について少し聞いたくらいで、あとは普通に世間話ばかり。こんなこともあったんだよとか(笑)」

ヤクルトの選手との差

 試合は「自己アピールをテーマに、しっかり準備をして打席に入ろう」と臨むも、1対4で敗れた。

「気持ちが強く出すぎちゃいましたね。早いカウントから空振りしてもいいところで当てちゃったり。反省点はいろいろありますが、気持ちのバランスと準備力ですよね。ヤクルトの選手たちはネクストで待っている時でも、1球1球を無駄にせずタイミングをとっていました。そのあたりの準備力の差であったり、いいところは真似していこうと、試合後のミーティングで伝えました」

 そして飯原コーチは「本当にありがたい試合でした」と言って続けた。

「打てた選手もいますし、そこは自信になったんじゃないかと。やっぱり目指している場所のチームとの試合ですから。そこの収穫はありました」

 将来的に、NPBの指導者になりたいという目標はあるのだろうか。

「もちろんその気持ちはあります。日本の野球の最高峰の場所でたくさんの経験をしてみたい思いはあります。でも、今日のようにNPBのコーチと情報交換はできるし、場所は違えどやっていることは近いですし、どこでやろうが野球は野球ですから。

 家族の理解もあって、今は栃木から......このチームだけでなく高校、大学とひとりでも多くのNPB選手が出てほしいと思ってやっています。やっぱり選手たちはかわいいですから。あの子たちの親父みたいな感じですよ(笑)」

 今年からコーチ専任になったとはいえ、現役引退について聞くと「まだ発表はしてないです」と笑った。

「まだというか、野球選手としては50歳くらいまでやろうかと。選手が足りなくなったりすることもあるので、今も体は動かしています(笑)」

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