高木豊のパ・リーグ順位予想は王者オリックスがまさかの5位。連覇への懸念材料は「交流戦」と「達成感」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

【3位予想:ロッテ】

――昨年2位のロッテは3位と予想。覚醒が期待される佐々木朗希投手が注目されているほか、マーティン選手やレアード選手ら得点源の助っ人が健在です。

高木 昨年は荻野貴司とマーティン、レアードで勝った試合が多かったですね。荻野が出てマーティンが返すとか、中村奨吾がたまに絡むとか。だから荻野がポイントを握っている部分があります。ただ、いつまでもベテランの荻野に頼るわけにもいきません。

 荻野が担っている役割を誰が引き継いでいくべきかといえば、藤原恭大なんですよね。ただ、藤原を見ていると現状はあまりよくないです。昨年、藤原が7・8月に月間MVPを獲る活躍でロッテは好調でしたが、藤原が打てない、さらには安田尚憲も打てないとなり、優勝を目前にしながら掴み取れませんでした。そういうところから、昨年よりも少し厳しいのかなと僕は見ています。

――打つほうでは藤原選手や安田選手以外にも、山口航輝選手や髙部瑛斗選手ら期待の若手がいますが、あまり底上げはできていない印象ですか?

高木 少しはできていると思いますが、僕は松川虎生が育ちきった時に優勝があると思いますね。活躍することはそんなに簡単ではないでしょうが、「(優勝は)松川が育ってからだな」と感じさせるくらい魅力がある選手です。オリックスとのオープン戦で、山﨑福也の内角低めの難しい球をレフト前に打ちましたけど、なかなかあんなふうには打てません。"センスの塊"という感じで、惚れ惚れしました。あれを見たら、「しばらく我慢して起用しようかな」と思わせられますよ。

 近年は何人かの捕手を起用していますが、正捕手と呼べる捕手はいません。田村龍弘から加藤匠馬に"浮気"し、今度は松川にという流れですよね。「こいつを鍛えるんだ」と使い続けて育てきったら、10年以上は固定できるでしょうし、チームが落ち着いてくると思います。ここまで見ていると、井口資仁監督は「開幕は松川でいってみようか」という気持ちになってるんじゃないかと。逆に、正捕手を育てることを重視すると、今年の優勝は難しいでしょうね。

――投手陣はどうでしょうか?

高木 佐々木朗希はコンディションをキープできれば期待できますね。ただ、昨年10勝した小島和哉が今年も安定した投球ができるかは疑問ですし、今のところ美馬学があまりよくありません。昨年からちょっと崩れてきていますよね。しぶといチームですけど、今年は3位と予想しました。

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