2022.03.21

プロ14年目、日本ハム杉谷拳士の覚悟「今年は最後のチャンスだと思って…公約はヒーローインタビュー10回」

  • 市川光治(光スタジオ)●文 text by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)
  • photo by Hosono Shinji

親交が深かった斎藤佑樹(写真左)とのツーショット親交が深かった斎藤佑樹(写真左)とのツーショット この記事に関連する写真を見る ── 引退の話はいつ頃、聞いたのですか?

「佑樹さんが手術する前にだいぶ弱気になっていた時期があって、『あと1年頑張りましょうよ』と言ったことがあって。それから手術もされて、頑張るってなりましたけど、遅かれ早かれ佑樹さんのなかでは、きっとあと1年なんだろうなというのを薄々感じてました。で、夏くらいに佑樹さんから『拳士、話があるんだよね』と言われた時に、『うわ、きた。嫌だ〜』というやりとりしたんですよね」

── ついにきたか、と。

「その時に『もう今年で辞めるわ。本当にありがとね』と言われて......。もう肩が上がってなかったですし、しょうがないなって......」

── 斎藤さんにかけられた言葉で印象に残っているものってなんでしょう。

「たくさんの言葉をかけてもらいました。佑樹さんって、本当に前向きな言葉しか言わないんですよ。批判する人たちに対して僕は『クソ〜』って思ってしまう人間だったんですが、佑樹さんはいっさい悪口を言わない。そんな僕に『拳士、たしかにいろんなことを言う人がいるかもしれないけど、最後にはちゃんとこうやって応援してくれる、そういう姿勢でオレは野球をやりたいんだよね』って諭すように話してくれて『なに、この人。すげえな』ってあらためて感心しました。普通は絶対『クソ〜』とかなるじゃないですか」

── そうですよね。

「それが佑樹さんは『メディアの人にいろんなことを書かれたとしても、こうやって見てくれてるということが本当に素敵なことなんだよ』って返されて......。さらに『あとは自分が結果を残すことが一番なんだよ。だから、その人たちも仕事なんだし、取材を受けないとかは絶対ダメだから。それは拳士、これからもちゃんとやっていこう』という話もされました」

── 『クソ〜』とかならないんですね。まさに王子ですね、もしくは天使(笑)。

「まさに、です(笑)。佑樹さんと一緒のチームで過ごせたことは、すごく素敵な時間だったし、野球を通して人との接し方というのをたくさん学ばせてもらいましたね」