柳田悠岐×吉田正尚のスラッガー対談。互いの印象や来季の目標、期待する若手選手などを語りつくした (3ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

【2021年に見えた課題と来季の展望】

 パ・リーグを代表する両選手だが、2021年のチーム成績は対照的だった。オリックスの25年ぶりのリーグ優勝に貢献した吉田は、「これまでテレビで見ているだけだった」という日本シリーズにも初出場し、第1戦でサヨナラタイムリーを放った。

 一方で、柳田が所属するソフトバンクは、日本シリーズ5連覇を目指したものの4位。「日本シリーズの大舞台でプレーする(吉田)正尚の姿をテレビで見て、羨ましいと思った。来年は、自分たちが立てるようにしたい」と、来季の捲土重来(けんどちょうらい)を誓った。

――2021年の総括と、来季の課題を教えてください。

柳田 チームも4位に終わりましたし、個人としても調子がいい時期が短く、苦しいシーズンでした。一方で、今夏の東京五輪で金メダルを獲得できたり、すばらしいこともあった。ケガもなかったですし、結果として思い出に残る1年だったのかなと思います。来シーズンは「いい状態を維持する」ことを課題にして過ごしていきたいです。

吉田 長く野球をさせていただいたタフな1年でした。日本シリーズの舞台に立ってみて「いい場所だな」と感じましたし、「リーグを連覇して、また日本一を目指したい」という気持ちになりました。個人的には、東京五輪まではまあまあよかったと思いますが、肉離れや死球により戦線を離脱してしまった。試合に出続けることを課題にして、打撃全部門での1位を目指したいです。

――バッティングで大事にしていることは?

柳田 「どういう打球を打つか」というイメージを大切にしています。投手と対戦する時に"考える時間"はほとんどないので、「来た球にどのようにバットを反応させるか」を心がけて打席に入っています。

吉田 タイミングです。いいスイングをするためには、タイミングを合わせないといけない。あとはボールに対して、まっすぐな線を描くような軌道でバットが入れられると、いい打球を打てる確率も上がっていく。そう考えて、いつも打席に入っています。

――お互いの守備に対する印象は?

柳田 正尚はグローブにこだわりが強く、攻守交代も全力疾走なのがすばらしい。今年は、僕が放ったライトオーバーをスーパープレーで捕られましたし、球際の強さも感じました。

吉田 (柳田は)肩が強く、ダイナミックな送球もできる。僕は守備の才能はないですが、一度は金色のグローブ(ゴールデングラブ賞)が欲しいですね。「投手に迷惑をかけないように一生懸命やる」ことをモットーにやっていきたいです。

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