巨人・秋広優人など長身野手は活躍できるのか。「満塁男」や「デカ」以外は選手生命が短い!? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 同年は8試合に出場し、打率.273、2本塁打、2打点をマーク。翌年以降の飛躍が期待されたが、結局1軍出場はこの8試合のみとなった。イースタン・リーグでも際だった成績を残すことができず、2017年に戦力外通告を受けて引退した。

 伊東には走力や守備に強みがなく、一塁手か指名打者という選手だったため、一塁のレギュラーだった銀次や、指名打者で出場する外国人助っ人に打力で上回らなければならなかったが、現実は厳しかった。

 体格に恵まれた選手は走力や守備力で劣る選手が多いイメージもあるが、近年は"走攻守"で優れているプレーヤーの活躍が見られるようになった。顕著な例が、エンゼルスの大谷翔平(193cm)やソフトバンクの柳田悠岐(188cm)だろう。

 現役の長身の選手には、日本ハムの万波中正(190cm:20歳)や阪神の藤谷洸介(194cm:25歳)、30歳を前に出場機会を増やし始めたオリックスの杉本裕太郎(190cm)らがいる。体格を活かした長距離打者として勝負するのであれば、それなりの数字を残さなければならず、守備力に不安がある場合は外国人助っ人との厳しいスタメン争いにもさらされる。スピードや、駒田や高橋が持っていたテクニック、器用さなど、パワーだけでなく何らかのプラスアルファがなければ、プロ野球の世界で活躍することは厳しい。

 しかし、長身選手のポテンシャルのすさまじさは、大谷や柳田の例でも証明されている。今季注目されている秋広をはじめ、長身の野手たちが今後どんな活躍を見せてくれるのかに注目したい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る