巨人・秋広優人など長身野手は活躍できるのか。「満塁男」や「デカ」以外は選手生命が短い!?

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 巨人では1959年の王貞治以来、62年ぶりとなる高卒ルーキーでの開幕スタメンが期待された秋広優人。紅白戦や対外試合では随所でポテンシャルの高さを見せたものの、オープン戦は打率.200と苦しみ、2軍で開幕を迎えることになりそうだ。だが、身長2mの体をしなやかに使った天性の打撃センス、機敏な守備も見せており、今後どのような成長を遂げていくのか楽しみだ。

 そんな秋広の登場で気になるのは、「過去に長身の野手がどれくらい活躍できたのか?」ということ。かつて長身の日本人は動きが機敏ではないというイメージを持たれる時代があった。そこで今回は190cm以上の野手に絞って、その成績を振り返る。

オリックスやヤクルトでプレーした、「デカ」こと高橋智オリックスやヤクルトでプレーした、「デカ」こと高橋智 まず活躍した打者としては、巨人と横浜に在籍し、満塁の場面での強さから"満塁男"と称された駒田徳広(191cm)が思い浮かぶ。

 背筋をピンと伸ばし、テイクバックを大きめにとる打撃フォームで、状況に応じてバットを寝かせたり、スタンスを変えたりする器用さも持っていた。長いリーチを活かして外角低めの球を拾い上げたかと思えば、持ち前のパワーでストライクゾーンよりも高めの球を強引に引っ張ってスタンドへ運ぶなど、"悪球打ち"でも知られた。

 巧みなバットコントロールで2000本安打を達成した一方で、一塁手として史上最多の10度のゴールデングラブ賞を受賞している。巧みなグラブ捌きで、難しいバウンドの球を難なく裁くシーンが印象深い。バント処理の際には果敢にチャージし、捕球してからの素早い送球で走者を刺すシーンも幾度となく目にした。攻守でその体を存分に活かせたことが、2000年まで20シーズン活躍できた要因だろう。 

 また、1985年から阪急及び後のオリックス、ヤクルトでプレーし、"デカ"と称された高橋智(194cm)も、豪快な打撃でファンにインパクトを与えた。同時期に活躍した、ブーマー・ウェルズ(200cm)やオレステス・デストラーデ(193cm)といった長身の助っ人にも見劣りのしない体格で"和製大砲"とも呼ばれた。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る