オープン戦の活躍は水物。シーズンの成績と真逆だった新助っ人たち (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • phoho by Sankei Visual

 開幕戦に4番・一塁で起用されると、来日初安打・初打点をマーク。以降もコンスタントに打ち続け、阪神の助っ人として初めて、開幕戦から10試合連続安打を達成した。さらに、開幕から27試合連続で出塁し、それまで和田豊が保持していた24試合連続出塁の球団記録を更新。シーズンを通しても打率.283、26本塁打、109打点と堂々たる成績を残し、打点王にも輝いた。

 三振が多いなど安定感を欠きながらも主軸を担い、3年目の2016年もチームトップの22本塁打、79打点を記録したが、その年限りで自由契約に。ドミニカウィンターリーグなどを経て2018年には所属球団なしとなり、同年にはジェフリー・マルテとの契約交渉でドミニカ共和国に派遣された阪神担当者の"ボディーガード"兼運転手を務めたことも話題になった。

 投手では、来日1年目(2018年)に13勝(2敗)で最高勝率のタイトルを獲得し、「ボル神ガー」と称された元ロッテのマイク・ボルシンガーも同様だ。日本の柔らかいマウンドに苦労し、オープン戦4試合に登板して1勝1敗、防御率8.36。制球を乱す場面が散見されたが、シーズンが始まると安定。縦に大きく速く変化するナックルカーブ、縦と横に変化する2種類のスライダーを織り交ぜ、内野ゴロを量産した。

 常日頃から「テンポよく投げて、試合時間を短くしたい」と言っていたとおりテンポがいい投球で11連勝をマーク。本拠地ZOZOマリンスタジアムの強風も完全に味方につけ、同球場では開幕から7連勝するなど、首脳陣やファンの期待に応えた。翌年は20試合に先発して4勝6敗、防御率4.63と成績を落とし、同オフに退団。現在は球団に所属しておらず、再来日を含め可能性を探っている。

 一方、オープン戦で好成績→シーズンで活躍できなかった助っ人も多い。BCリーグでの活躍後、テストを経て2016年オフにDeNAへ入団した、アウディ・シリアコもそのひとりだ。2017年のオープン戦17試合に出場し、打率.375、1本塁打、6打点、OPS.956と躍動。オープン戦の首位打者に輝くと、開幕戦では5番・三塁でスタメン出場し、長打力と確実性を兼ね備えた打者として期待された。

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