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槙原寛己が語る桑田真澄の指導。投げ込みや走り込みの意見は誤解されている (2ページ目)

  • 石塚隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 桑田コーチといえば評論家時代、「現代野球にそぐわない投げ込みや走り込みは、選手たちにはさせない」と述べていたが、今キャンプでは次期エース候補の戸郷翔征に15球×9イニングをイメージして135球の投げ込みを進言するなど、分業制が当たり前の現代において、あえて"完投"を意識づけしようとしている。

「桑田コーチが気の毒なのは、投げ込みや走り込みに関してそういった意見がひとり歩きしまっていることです。あれはあくまでもアマチュアの選手に対してですし、必要以上の負荷をかけないということ。だけどプロに対してはまた違った意見を持っているし、戸郷に対してもそう。今後はランニングの量も増やすと言っていましたし、僕たちがやってきた野球を完全否定するわけではなく、アレンジを加えて継承していく感じだと思います。

 もちろんケガのリスクを減らしながらですが、巨人のみならず球界を見渡せば完投は非常に減っています。しかし、それをすることでチームやリリーフ陣にいい影響を及ぼすというのは間違いありませんからね。桑田コーチとしては"強いピッチャー"を育てたいということなのでしょう。今季は運よく菅野智之がチームに残留しましたが、来季以降はわかりませんし、そこで期待の戸郷に完投のススメをしたというのはあると思います」

 桑田コーチの加入によってシーズンを戦う上で、どのような波及効果があるか楽しみではあるが、槙原氏いわく、指導するにあたり一軍以外にも適材する場所があるという。

「一軍の選手はある程度完成していますし、シーズンが始まってから桑田コーチの持つ変化球などのノウハウを新たに教えるというのは難しいと思います。あくまでも私の考えではありますが、シーズンが始まったらベンチ入りの人員制限もありますから巡回コーチといった形になるのではないでしょうか。シーズンの大事な場面などテコ入れの必要なときには一軍のベンチに入るような気がします」

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