2021.02.08

「この選手が本当に育成の選手か」打撃投手・久本祐一が語る中日の野手陣

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

──京田選手のここまでの成長をどのように見ていますか?

「入団当時から守備はうまかったですが、体の線が細いのが心配でした。でも、2年目、3年目と体がどんどん大きくなっていきましたね。バッティングに関しては、成績は物足らない部分もあるかもしれませんが、数字には残らないチームバッティングもできています。

 周囲の選手への気配りもできて、チームの中心選手としての自覚を持ちながら進歩できている。何よりも大きいのは、昨シーズンにAクラスに入った中日のショートとして1シーズンを過ごせたこと。センターの大島(洋平)以外のポジションがなかなか固定されなかった、センターラインに安定感をもたらしましたね」

──二遊間を組むセカンドの阿部寿樹選手についての印象は?

「社会人野球のHondaから26歳でプロ入り(2015年ドラフト5位)したオールドルーキーですが、『セカンドでレギュラーを獲る』という強い意志がある選手でした。もともと"強く振る"ことができる右打者で、プロ入り後に右打ちの練習を重ねた成果が出ています。

 ただ、阿部は守備もうまい。京田、サードの高橋周平にも共通するのは守備の安定感。広いナゴヤドームをホームにするチームとしては守ってロースコアでも勝てるのが理想ですが、それに近づいていると思います」

──高橋選手は、昨シーズンに初めて打率を3割に乗せ、ゴールデングラブ賞も獲得。昨年、前田健太投手(ツインズ)が自身のYouTubeチャンネルで秋山翔吾選手(レッズ)と共演した際、互いに日本代表の選手を選んでいく企画で2人がサードに指名したのも高橋選手でした。

「僕も2人と同じ意見です。振りの速さに加え、確実性が年々増していますね。フリーバッティングでも、ボールをバットの芯に当てる確率がすごく高いです。2018年シーズンから出場数が増えたこと、翌シーズンからサードに固定されて守備が安定したことも自信になったんでしょう。

 僕が何年か前に侍ジャパンの打撃投手をやった際には、ソフトバンクの柳田悠岐選手をはじめ、鋭い振りで芯に当てる選手がほとんどでした。そこまでの打者が、しばらく中日では見られなかった印象もありましたが、高橋はその域の選手になったんじゃないかと思います」