高木勇人が語る人的補償。「いい度胸してんな」と栗山巧に言われた失態とは? (3ページ目)

  • 森大樹●取材・文 text by Mori Daiki

神奈川フューチャードリームスでのプレーを経て、今年はメキシカンリーグに再挑戦 Photo by Mori Daiki神奈川フューチャードリームスでのプレーを経て、今年はメキシカンリーグに再挑戦 Photo by Mori Daiki 西武での選手生活はハプニングから始まったが、同学年の熊代聖人や、1歳上で社会人時代に同じ東海地区のチームにいた髙橋朋己など、徐々に周囲との関係を深めていく。中でもチームへの合流をスムーズにしたのが、西口文也コーチの存在だった。

「西口さんは当時ブルペンコーチで、かなりイジってもらえたのが大きかったです。でもイジり方がひどくて、いきなり初日から『外様』と言われましたよ。そうやってチームを明るくする方だったので僕も助かりました。友達みたいに接していただいたから、すんなり溶け込んでいけたのかなと」

 西武に移籍して一番カルチャーショックだったのは、寮のセキュリティ面だった。現在の西武の選手寮「若獅子寮」は2019年7月に新設されたばかり。高木が移籍してきた当時はまだ旧施設で、1979年ら使用されてきた建物だった。

「西武では球団関係者じゃない人が間違って入ってきてしまい、迷っていたこともありました(笑)。一方で巨人は、セキュリティが何重にもあって、ちょっと窓あげたら警報が鳴ってしまうくらい。その分、一般の方との距離感はすごくありましたね」

 その新天地では思うような成績を残すことができず、高木はわずか2年で戦力外になった。2019年のトライアウトに参加したがNPB球団からオファーはなく、2020年はメキシカンリーグに挑戦。3月からキャンプに参加し、首脳陣からも活躍が期待されていたが、新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中止になる憂き目に遭った。

 その後、7月に帰国してBCリーグの神奈川フューチャードリームスと契約を交わす。シーズン途中からの加入で、外出を制限されていたメキシコ滞在中に思うように練習ができなかった影響もあり、7試合で2勝1敗、防御率5.11と本来のパフォーマンスを発揮できないままシーズンを終えた。

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