2020.10.22

スーパーカートリオVS八重樫幸雄。
ダントツNo.1で俊足だったのは? 

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Nikkan Sports/AFLO

「オープン球話」連載第37回

【アベレージヒッターの高木豊、穴が大きかった屋鋪要】

――前回伺った、故・加藤博一さんとの思い出話をきっかけに、博一さんもメンバーの
一員だった「スーパーカートリオ」について、今回は伺います!

八重樫 ちょうど同時期に、僕はヤクルトの正捕手として彼らと対戦していたから、スーパーカートリオはすごく印象に残っているし、思い出はいろいろあるよ。

大洋のスーパーカートリオとして活躍した(左から)高木、屋鋪、加藤――改めておさらいすると、1985(昭和60)年、大洋ホエールズの監督に就任した近藤貞雄監督が打ち出した、「一番・高木豊、二番・加藤博一、三番・屋鋪要」の俊足トリオの総称が「スーパーカートリオ」でしたね。

八重樫 3人とも足が速いでしょう。ヒロカズと屋鋪はスイッチヒッターだったけど、一番から三番までズラリと俊足の左打者が並ぶというのは、神経を消耗するんですよ。それに、微妙に3人の個性が違う。相手バッテリーからしたら、相当イヤらしかったよね。

――具体的に、それぞれのタイプの違いを教えていただけますか?

八重樫 ザックリ言えば、豊は広角に打ち分けることができるアベレージヒッター。ヒロカズは選球眼がよかったし、追い込まれてからファールで粘る技術が長けていたね。だから、どうしてもピッチャーの球数が増えていく。そして、屋鋪は一発があるんですよ。意外とパンチ力があるから、気を許した瞬間にガツンとやられることがある。ただ、打者としては穴が大きいのも屋鋪だったな。

――確かに、屋鋪さんの場合は、せっかく足が速いのに簡単に打ち上げて内野ポップフライを打っていた印象があります。

八重樫 そうなんだよね。バッテリーとしてもちょっと安心できるバッターだったな。だから、甘いところにだけ気をつければいい。絶好球を簡単に見逃したかと思えば、アッサリ空振りしたりもするし、「何としても粘ろう」という感じがなかった。あんまり深く考えずにバッターボックスに立っていたタイプ。ヤクルトでいえば飯田哲也がそんなタイプだったね(笑)。