歴代最強投手は野茂英雄か鈴木啓示か。八重樫幸雄が選ぶ近鉄ベストナイン (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

――新井さんの打撃について大絶賛していましたもんね。では、外野手部門の最終結果はどうなりましたか?

八重樫 レフト・栗橋茂、センター・平野光泰、ライト・鈴木貴久という布陣にしようかな。栗橋、平野さんは西本幸雄監督時代の中心選手。平野さんは、すごくヤンチャな印象があったんだけど、グラウンドでは黙々とプレーしてプロらしい選手だったね。鈴木は若くして亡くなってしまったけど好きな選手でしたよ。北海道出身らしいというか、感情を表に出さず、でも内心では熱いものを持っていたいい選手だったよね。

――最後に、「歴代ベスト指名打者」を教えてください。

八重樫 タフィ・ローズと迷った末にブライアントにしました。僕はまだ現役だったけど、1988年、1989年の大活躍は、ひとりの野球ファンとして興奮したからね。一度、オープン戦で僕がファーストを守っている時にブライアントの打球を捕球したことがあるんだけど、ものすごい当たりでビックリしたよ(笑)。打球を「怖い」と思ったのは、野球をやってきて初めてだったね。ということで、今回はこんな打順を考えてみました。

1.平野光泰(中)
2.大石大二郎(二)
3.ブライアント(指)
4.石井浩郎(一)
5.中村紀洋(三)
6.栗橋茂(左)
7.鈴木貴久(右)
8.梨田昌孝(捕)
9.吉田剛(遊)
P.鈴木啓示

――冒頭でお話ししたように、2004年限りで近鉄バファローズを消滅してしまいました。あらためて、「近鉄」とはどんな球団だった印象がありますか?

八重樫 三原脩さんや仰木彬さんが監督をやったからなのか、昔の西鉄ライオンズの雰囲気というのか、個性的な「野武士軍団」というイメージが強いんですよ。西本幸雄監督時代も強いチームだったし、「いてまえ打線」は見ていて面白かったし、個性的な選手が集った集団だった。そんな印象ですね。

(第36回につづく)

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