2020.07.24

28歳の堂林翔太には技術的な裏づけと
覚悟がある。プリンスは覚醒した

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Nishida Taisuke

―― ドラフト後、中京大中京の校舎でインタビューさせていただいた時には、『右バッターとしてシーズン200安打を打ちたい』と話して下さいました。今も日本人の右バッターでは山田哲人選手の193安打が最多です。インコースはレフトへツーベース、アウトコースは右中間へホームランを打てるバッティングを目指したいとおっしゃっていた高校時代の堂林さんが今、そのバッティングを目指すために身につけなければならない、必須の技術は何だとお考えですか。

「それもさっきの話と変わらないと思うんですよね。センター中心に、来た球に対して素直に打ち返す。それが全部レフト方向とかに偏ってしまうときもあるんですけど、だいたい練習でそういう偏った打球方向になってしまっていたら、それはあまりよろしくない状態、という感じです」

―― 高校時代は、インコースはレフトへツーベース、アウトコースは右中間へホームランというバッティングだったということだけど、今はコースでわけるということに関してはどうなのかな。

「センターを基本にして、たまたまレフトに飛んだ、たまたま右方向に飛んだ、という感覚ですね。センター方向を意識して、打球方向はボールに聞いてくれ、という感じです」

―― 試合に出られず、結果も残らなかった昨年から学んだり感じたりしたのはどんなことでしょうか。うまくいかないときに自分を前に進める考え方や、自分を励ます言葉などを聞かせて下さい。

「練習するしか、具体的なものは見つからないですね。練習するしかない。あきらめないでやること。それが一番シンプルで、いいと思います」

―― 自分を励ます言葉はありますか。

「単純に、子どもたちの顔を見ていたら、頑張ろうって思えますけどね」

―― パパですね(笑)。

「パパです。3児のパパですね(笑)」

―― 『鯉のプリンス』と呼ばれることについて、今はどう感じていますか。かつては三振写真展が開催されたほどの絵になるプレーヤーである堂林さんが、カッコいい、美しいと感じるのはどういうプレイヤーですか。

「昔から、なんっとも、思わないですね(笑)。周りが勝手に言っているだけで、僕が何かを思ったことは、ひとつもないです」