ロッテドラ5、評価がうなぎ上り。恩師が語る福田光輝「豪打の秘密」 (3ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Koike Yoshihiro

 青木監督は福田と出会った5年前のことを今でもはっきりと覚えている。

「初めて会ったのは、福田の母校である大阪桐蔭だったのですが、その時に法政大学の歴史であったり、練習内容だったり、監督としての考えなど、いろんな話をさせてもらいました。その時に私は、『はい』と聞くだけの選手なのか、質問してくる選手なのか、それとも自分の主張をしてくる選手なのかを見るのですが、福田は『今までこうしてきました』『自分はこう考えてきました』と、自分の主張をはっきり伝えてくるタイプでした。おそらく、4年後やその先のことまでを見据えていたのでしょうね。なにより『大学を卒業したらプロに行くんだ』という強い意思が伝わってきました」

 青木監督のなかに、今でもはっきり記憶している打席がある。

 2017年4月29日の東京六大学リーグの明治大戦(1回戦)だ。

 8回表、1対1の同点の場面で、代打で登場した当時2年生の福田は、齊藤大将(当時4年/現・西武)から左中間を破る二塁打を放ち、勝ち越しの突破口をつくった。相手はプロ注目の変則左腕。苦にすることもなく、1打席で結果を出した福田の技術と肝っ玉の強さに、青木監督は非凡な才能を感じとったという。

「普通、(齊藤のような)変則的な投げ方をされたら左打者は嫌なはずなんです。それをまったく動じることなく強く振り切った。あの一打があって試合にも勝たせてもらいましたし、『コイツだ!』とリーグ戦で使い続ける覚悟が決まりました」

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