松永浩美が根本陸夫の話術に鳥肌「ダイエーも西武みたいになるのか」 (2ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki

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 トレード成立から12日後、根本はさらに「人を変える」べく、FA宣言第1号選手となった松永浩美との交渉に臨んだ。松永は阪神との残留交渉、西武との交渉を経て、フラットな気持ちで根本と対面。マスコミはそれ以前から<松永のダイエー入りは確定的>と伝えていたが、本人はまだ何も決めていなかった。

 円卓が置かれた個室で食事をしながら、当初、遠回りに獲得の意志を伝えられた。西武を強くするために田淵幸一が必要だったのと同じように、松永も必要だと根本に説明されても心は動かなかった。それがなぜ、ダイエー入団を決めるに至ったのか──。松永に聞く。

「根本さんが秋山を獲ったトレードの話を持ち出して、ホークスのチームづくりを語り始めたんです。その時、『あのトレードは君が来てくれることが前提だ』って言われた。聞いた途端、ずっとフラットな状態だったのに、『本当にオレを必要としてくれているんだろうな』って思えてきたんです」

 西武との交渉でも、阪神との交渉でも感じられなかった、獲得への強い意志が伝わってきた。まだ話を正式に受けてもいないのに、会話のなかで根本の本心をつかむことができた。

「『そうか、オレが礎になるのか。基盤をつくるためにオレは呼ばれるんだ』と思ったんです。できあがったチームに一枚加わって、さらに強化するという意味じゃなくて、弱いチームから強いチームに仕立てていくのに、オレというピースがどうしても必要なんだなと。根本さんのなかに"松永"っていう名前がガチガチに入っているんだろうな、と感じられたんです」

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