元NPB選手が多数所属で話題。琉球ブルーオーシャンズが描く未来 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 打撃練習中、NPB出身者ではない背番号33の左打者が快音を響かせていた。柳田悠岐(ソフトバンク)ばりのフルスイングから、長打性の当たりを連発する。その打者は地元・沖縄出身の大城駿斗だった。

 進学校の那覇国際高から一般入試で筑波大に進んだ秀才は、身長183センチ、体重86キロと恵まれた体格もあり、大学入学当初から強打者として期待された。

 だが、練習では打てるのに紅白戦など実戦になるとからっきし。リーグ戦出場はおろか、ベンチに入ることすらできなかった。それでも、4年秋にかけて徐々に紅白戦で結果を残せるようになり、大学最後のリーグ戦で初めて代打起用される。しかし、見逃し三振で大学生活を終えた。

「まだあきらめきれない思いが残っていました。4年になってから打てる感じをつかめてきたので、もう少しやればつかめるんじゃないかと思いました」

 筑波大の同期の加藤徹にブルーオーシャンズが創設されることを聞き、一緒にトライアウトを受験して入団した。

「地元でプレーできることを誇りに思いますし、高校の先生や友人たちも『応援行くからな』と声をかけてくれます。沖縄にいい影響を与えられるチームにしたいです」

 球団の親会社である株式会社BASEの北川智哉社長は、球団の今後の見通しについてこう語る。

「まずNPBがエクスパンション(球団数拡張)の流れになることが大前提ですが、3年で基礎をつくり、4年目にNPB参入準備、5年目に参入するのが理想です」

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