奥川恭伸が描くプロ1年目のビジョン
「目標から逆算して順調」

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 1月6日に始まった新人合同自主トレから注目を集めるヤクルトのゴールデンルーキー・奥川恭伸は、2月に入ると宮崎・西都市に移り、初めてのプロ野球キャンプがスタートした。一挙一動に注目が集まるなか、マイペースを貫きながら、徐々にプロの世界に溶け込んでいる。

キャンプで笑顔を見せるヤクルトのルーキー・奥川恭伸キャンプで笑顔を見せるヤクルトのルーキー・奥川恭伸 1月に右ひじの炎症が発覚し、ノースロー調整となった。キャンプも二軍スタートとなったが、奥川の表情にネガティブさはなかった。

 キャンプでも第1クールから別メニューで調整を続けるなか、西都には連日多くの記者が詰めかけ、練習が終わるごとに囲み取材の時間が設けられた。そのなかで報道陣が気になるのは、ひじの回復具合と今後のビションだ。

 当然ながら、じっくりと育てたほうがいいとか、早い段階で一軍登板があるのでは......という意見がある。ブルペンに入ってピッチングを重ねる投手を尻目に、奥川は隣にある室内練習場で体づくりの日々。本人は投げたくて仕方ないといったところだが、その感情を押し殺し、黙々とトレーニングに励んでいた。

 23日ぶりにキャッチボールを再開した2月6日は、感触を確かめながら1球1球丁寧に投げ込んでいた。本人は4~5割の力で投げたと話していたが、ある球団関係者は「このキャンプでいちばん力の入ったボールだったように見えた」と話していた。

 奥川がもっとも気にしていたのがリリースポイントだ。

「自分の思うリリースポイントでしっかり投げられるかが大事なので、今日はそこについては確認できました」

 続けて、こう語った。

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