中日・岡田俊哉が胸に刻む亡き師の教え「あの3年があって今がある」 (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Sawai Fumi

 2016年には侍ジャパンに選出されてオランダ戦で勝ち星を挙げ、さあこれからという時だった。左手のひらを切開し、血行をよくするために血管の周囲にある毛細血管を切除。今でも左手のひらにはその手術痕が残っている。

 神経に関わる手術だったため、指を少しずつ動かしていき、そこから握力を戻して投げるまでは相当な時間を要した。だが、2018年には中継ぎとしてマウンドに復帰し、昨季はプロ入り最多の13セーブを挙げ、ドラゴンズのマウンドを守ってきた。

 そんな激動の10年間を過ごし、今季は何かをつかむシーズンになるかもしれない。

「この間テレビを見ていたら、『○○年世代は......』みたいな特集をしていたんです。自分たちの1991年(生まれ)世代も(今宮)健太(ソフトバンク)とか、菊池雄星(マリナーズ)とか、活躍している選手はたくさんいます。自分もまだまだやれると思って、今年もやっていきたいです」

 地道に土台を築き上げ、壁を乗り越えてきた。精神的にタフになった左腕のあくなき挑戦は、まだまだ続く。

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