2019.10.10

Aクラス奪還目指す中日。ドラフトで
地元の逸材を獲得して人気回復だ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略~中日編

 今シーズンの中日は、終わってみればセ・リーグ5位だったが、チーム防御率3.72はリーグ3位、チーム打率.263はなんとリーグトップである。さらに、打率ベストテンにビシエド(2位/.315)、大島洋平(4位/.3118)、高橋周平(8位/.293)、阿部寿樹(10位/.291)の4人が名を連ねるなど、決して現有戦力が劣っているわけではない。

 6873敗2分で、優勝した巨人には9ゲーム差をつけられてしまったが、3位の阪神とは3ゲーム差。まずはAクラス奪還が、当面の現実的な目標だろう。たとえば、10勝5敗ぐらいの成績を挙げられる投手が入ってくれば、その目標もグッと現実味を増す……というよりも、優勝も夢ではなくなってくる。

最速152キロを誇る東海理化の本格派右腕・立野和明 まず名前が浮かぶのは、森下暢仁(まさと/明治大)だろう。今季、ようやく頭角を現してきた柳裕也との明大コンビは、大いに注目を集めるだろう。そこに来季2年目を迎える根尾昂が打線に加わったら……きっとナゴヤドームは満員御礼になるに違いない。

 しかし今年は、石川に奥川恭伸(星稜)がいる。中日新聞の販売エリアに「10年にひとりの逸材」なら、本社から獲得指令が下されるであろう。

 奥川だって、1年から10勝も夢じゃないと思っている。投球センス、実戦での洞察力、ゲームメイク能力、制球力……どれを取っても、すでにプロレベルだと断言できる。

 問題は、プロで1シーズン乗り切れるだけの心身の強さがあるかどうかだ。ローテーション入りすれば、登板日に合わせた調整が中心となり、能力値を上げる追い込んだ練習はなかなか難しい。

 いずれにしても、森下も奥川も一本釣りできるような選手じゃない。ならば、地元・愛知の逸材、石川昂弥(東邦)も控えている。この春から夏にかけてのめざましいバッティングの進化は、プロでも3冠王を狙える存在になるのではないかと本気で思っている。それぐらいのバッターである。ただ、この石川にしても密かに単独指名を狙っている球団があるかもしれない。