井端弘和のセ・リーグCS展望。巨人に大胆起用の可能性「菅野は...」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

――DeNAのアレックス・ラミレス監督の采配も重要だと思いますが、現役時代からのラミレス監督の印象は?

「現役時代は、たとえ大差がついてもまったく手を抜かない選手でした。開幕戦から最終戦まで1打席も無駄にすることがなかったですね。監督としても1勝に対する執念は変わらず、データをうまく使った野球をする印象があります」

──短期決戦では、シーズンと違う戦術が必要になる場面もあると思いますが。

「CSはシーズン2位と3位のチームに与えられた"敗者復活戦"。私が選手だった時には、『いつもと同じことをして、シーズンの順位と同じ結果になるのは避けたい』と思っていたので、違う自分を出すことを意識していました。例えば、反対方向への打球を封印して、全打席で引っ張ってみたり。チームメイトだった(タイロン・)ウッズが、ノーサインで盗塁することもありましたね。

 シーズンで積み上げてきたものをしっかり出すことも重要なので、そのバランスが難しくなると思います。その点、ラミレス監督は3度CSを経験していますし、2017年には日本シリーズ進出も果たしましたから、しっかり対応できるんじゃないでしょうか」

――阪神の矢野燿大監督にとっては、今回が初めてのCSになりますが、不安はないでしょうか。

「確かに監督としては初めてですが、現役時代の経験が豊富なので対策は練っているでしょう。若い選手をまとめて、土壇場でCS進出を決めた勢いを持続できれば、相手の本拠地で対戦するハンデも問題ないはずです。先発ローテーションもシーズン通りに、西(勇輝)、高橋(遥人)、青柳(晃洋)3本柱をぶつけてくると思います。短期決戦にシーズン中の成績は関係ないとも言われますが、DeNAの長距離打者たちをしっかり抑え、対戦成績も16勝8敗と大きく勝ち越しているのでいいイメージで試合に臨めると思います。

 一方のDeNAは、個人的には柴田(竜拓)に期待しています。彼は勝負強いですし、内野の複数のポジションを守れるのも、選手の交代が多くなる短期決戦では大きな武器になります。そして何より、先発の濱口(遥大)、東(克樹)がどれだけ調子を上げられるのかに尽きます。もし今永で第1戦を取れても、第2戦、第3戦をその2人が担えないとなると厳しいでしょう」

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