ヤクルト村上宗隆は1年目で風格。首脳陣も「4番しか考えられない」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 目立つのは二軍の成績である。ここで、現在、日本球界を代表する選手たちの高卒1年目の二軍での成績を見てみたい。

筒香嘉智(DeNA)/102試合/打率.289/26本塁打/88打点/出塁率.333
中田翔(日本ハム)/56試合/打率.255/11本塁打/31打点/出塁率.339
岡本和真(巨人)/69試合/打率.258/1本塁打/16打点/出塁率.307
山田哲人(ヤクルト)/114試合/打率.259/5本塁打/39打点/出塁率.320

 筒香の26本塁打は圧巻だが、村上はそれに匹敵するぐらいの堂々たる成績を残している。一軍では思うような結果を残せなかったが、9月16日の広島戦ではプロ初打席初本塁打。"未来の大砲"を予感させるには十分の衝撃弾だった。

 また10月のフェニックスリーグでは10本塁打を放ち、2009年に中田翔(日本ハム)が記録した6本塁打を抜き、リーグ記録となった。

 そのフェニックスリーグ中、松元ユウイチ二軍打撃コーチに、村上の1年目について聞いてみた。

「まず選球眼がよかったですね。ただ、高めの速いストレートに対してはファウルや空振りが目立っていました。軸がぶれないよさはありますけど、一軍ではやはり速いボールが多い。そこへの対応力というか、レベルを上げる必要があります。何かを教えるというより、まずはスイングスピードを上げることが先決です」

二軍での成績を見れば、2年目の今年に期待してしまうところだが、松元コーチはどのように思っているのだろうか。

「(一軍で通用するには)もう少し時間はかかるんじゃないですかね。そんなに甘い世界じゃないですし、本人も一軍の打席に立って感じたと思います。どれぐらいスイングスピードを意識できるのか。これがレベルアップできれば、今後は配球とかの勉強になってきますが、今はやはりスイングスピードです」

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