DeNAラミレス監督に「ファンが感じた采配の疑問」をズバリ聞いた

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 2018年シーズンを67勝74敗2分の4位で終えた横浜DeNAベイスターズ。「クライマックスシリーズ進出まであと一歩」という見方もできるが、「うまくやれば、もっと勝てた試合が多かったのでは......」というファンの声も多く聞かれた。

 しかし、チームのテーマや采配の理由については、外から見ているだけではわからない部分が多い。そこで、チームを率いるアレックス・ラミレス監督にシーズン中に感じた疑問を直談判! 失礼は重々承知の上だったが、ラミレス監督はいたって冷静に質問に答えてくれた。

横浜スタジアムでの最終戦を終え、ファンの声援に応えるラミレス監督横浜スタジアムでの最終戦を終え、ファンの声援に応えるラミレス監督――本題の前に、ラミレス監督はなぜどんな試合の後でも会見を拒否しないのですか?

「中畑清前監督からの伝統を引き継いでいるんです。指揮官として、一番にファンの皆さんに思いをお伝えしたいというポリシーで、毎試合お受けしています」

──今回のインタビューでも、ファンに監督の考えを伝えていただけたらと思います。まず今シーズンは1番打者が定まりませんでした。監督にとっての"理想のリードオフマン像"を聞かせてください。

「理想の数字は、シーズンを通して70~80個の四球が取れることですね。具体的な選手でいうと、広島の田中(広輔)選手です。打率は3割に届かなくても、どんな形であっても塁に出てくれれば盗塁のチャンスも生まれ、攻撃の幅が広がります。残念ながら、うちの桑原(将志)や神里(和毅)はその数字に達していません」

──それは、「ファーストストライク狙い」を徹底した結果のようにも思えます。早打ち凡退になるケースが多く、相手投手を楽にしてしまった印象があります。

「それをテーマに掲げた理由は、うちの選手がファーストストライクを打ったときの打率が非常に高かったからです。反省するべきところは、ゾーン理解の徹底に欠けた点ですね。選手にはコースを見極めて打つことを伝えたつもりでしたが、ボール球に手を出してしまうことが多くありました。それは経験によるところも大きいと感じます」

──相手投手の制球が定まっていない場合も、方針の変更はしなかったのですか?

「エース級の投手、例えば巨人の菅野(智之)投手が先発だった場合は、1ストライクを取られた後の結果は約60%の確率で打ち取られています。ですから、同じようなレベルの投手と対戦するときも、積極的な姿勢がマッチすると思いました。ボールカウント3-2と追い込まれてのチーム打率がよくないデータもありましたからね。ですが、それで四球の数が減り、ダントツでリーグ最下位(363個。5位は中日の402個)。得点力も(ネフタリ・)ソトがホームラン王になったとはいえ、見ての通りでした。スミマセン」

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