広島のレジェンド・北別府が伝授
「日本一へ、ホークス打線の攻略法」 (2ページ目)
今年の日本シリーズは、広島の本拠地・マツダスタジアムで開幕する。つまり広島は、最大4試合を地元で戦えるのだ。これは大きなアドバンテージだと北別府氏は言う。
「ホームで1試合でも多く試合ができるというのは有利ですよ。僕も日本シリーズを何度も経験しているけど、ホームとビジターでは全然違う。ホームはのびのびプレーできますから。それにマツダスタジアムの雰囲気は独特です。ホークスはやりづらいと思いますよ」
それに加えて、天然芝と人工芝の違いも大きいと、北別府氏は指摘する。マツダスタジアムは内野フィールドも含めてすべて天然芝。それに対してホークスの本拠地・ヤフオクドームは人工芝で、天然芝の球場はオリックスがサブフランチャイズにしているほっともっとフィールドがあるが、今年ホークスがここで試合をしたのは1試合だけ。ほとんどの試合を人工芝でプレーしている。そういう意味でも、カープにとってホームアドバンテージがかなりあるというのが、北別府氏の見立てだ。
ちなみに、2年前の日本ハムとの日本シリーズも、カープはマツダスタジアムからシリーズをスタートさせ、思惑どおりホームで連勝スタートを切ったが、札幌ドームで3連敗を喫し、一気に流れを持っていかれた苦い経験がある。それでも北別府氏は「マツダスタジアムでの最初の2戦を最低でも1勝1敗で乗り切ってほしい」と言う。
短期決戦のカギは、ホークス打線のキーマンをいかに封じ込めるかである。
古くは、1983年の西武と巨人の日本シリーズ。西武の知将・広岡達朗は、巨人打線のキーマンをシーズンMVPの原辰徳ではなく、メジャー通算314本塁打のスラッガー、レジー・スミスと見て、徹底マークで仕事をさせず、シリーズを制した。
また、カープが阪急(現オリックス)を4勝3敗で下した1984年の日本シリーズでは、外国人選手初の三冠王に輝いたブーマー・ウェルズをターゲットに絞った。北別府氏が当時を振り返る。
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