広島1強を止めるセのドラフト戦略。中日は根尾を捕手で獲得すべき!? (6ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●広島東洋カープ

 今シーズンの広島の強さは圧巻だった。夏場から一気にギアを上げて独走。勝ちっぷりも見事だったが、驚いたのが選手層の厚さと質の高さだ。

 たとえば、丸佳浩がケガで離脱すると野間峻祥(のま・たかよし)が入り、安部友裕が欠場すると西川龍馬が抜擢され、いずれも戦力ダウンを感じさせない活躍でチームを救った。

 強いチームの補強の特徴は何か? それは磐石と思われるポジションから補強していくことだ。かつて強かった頃の巨人は、あの長嶋茂雄がいるのに、毎年のようにアマチュア球界屈指の三塁手を獲得した。

 ならば、今年のドラフトで広島がすべきことは何か......。

 田中広輔の"後釜"として、根尾昂(大阪桐蔭/右投左打)か小園海斗(報徳学院/右投左打)を獲得。さらに、鈴木誠也のライトには森下翔太(東海大相模/右投右打)を、菊池涼介のセカンドには米満凪(よねみつ・なぎ/奈良学園大/右投左打)を3位か4位で指名したい。

 投手陣はどうか。今季ここまでリーグトップの15勝をマークしている大瀬良大地の後継者が必要だろう。イチ押しは、コンスタントに145キロ前後をマークする大型右腕・引地秀一郎(倉敷商/右投右打)。甲子園出場経験はないが、プロスカウトが早くから注目していた逸材だ。

 急務な戦力補強もドラフトの見どころだが、後継者を探すという視点でても面白い。そういう意味で、今年の広島のドラフトは大注目だ。

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る