バブル崩壊で契約金5200万円が消えた中根仁。「しかも借金が...」 (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

――「野武士軍団」と言われた選手たちの遊び方は豪快だったでしょうね。

中根 3連戦があったら、2日間は"先輩のお供"です。大石大二郎さん、金村さん、石井浩郎さん、光山英和さんなどにごちそうしていただきました。居酒屋を3軒くらいハシゴしたこともありますよ。特に光山さんはグルメで、外国人選手が驚くくらいに食べるんです。

――グルメで大食漢!

中根 1日目は大石さんに連れられて、10人くらいで焼肉を食べて飲みに行く。翌日は石井さんとまた同じくらいの人数で出かける。一流選手はすごかったですね。いい伝統だったと思います。3日目には僕が後輩を連れてご飯に行くんですが、最後はスナックでカラオケしてという感じで。そういう日は財布に10万円ぐらいは入れていたと思います。

――プロ野球選手の年俸を見れば、もっと派手に遊んでいそうですが。

中根 僕くらいの年俸では派手には遊べません。みんな、30歳くらいに結婚してマンション買ったりするから、自由に使えるお金が限られているんですよ。「あと何年プロでやれるんだろう」という不安も生じますから。

――35歳まで現役を続けられる選手は少ないですからね。選手同士で食事に行く場合、基本的に年齢の高い人が払うんですか?

中根 はい、そうです。いろいろな先輩に本当によくしていただきました。例外は、野茂ですね。1年後に入ってきて、すぐに年俸がポンポンと上がっていったので、あのくらいになったら、年下でもごちそうしてもらいやすい(笑)。「ここは僕が出しときます」とよく言ってくれました。

 野茂とは仲がよかったのでよく食事に行ったんですが、「どのくらい食うんだ!」っていうくらい、ずっと食べてました。寿司屋ならウニ、トロ、イクラ、ネギトロのヘビーローテーション。ずっと食ってますからね。その寿司屋の代金は僕が払いました(笑)。

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