貧打を変えた石井琢朗コーチの教え。カープ打線は7割の失敗を生かす (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • 西田泰輔●写真 photo by Nisida Taisuke

 進塁打を筆頭に「凡打でも内容のある凡打を」という教えは、昔から野球界で言われてきたことだ。しかし「後付けでも全然問題ない」とする石井の言葉には、「内容のある凡打じゃなくても構わない」という考え方が透けて見える。言い換えれば、点を取ることへの貪欲さがあふれている。

「試合後のコメントで『ヒット3本じゃ勝てない』とか言う監督もいますけど、そうじゃなくて、ヒットがゼロでも点を取れるのが野球なんです。究極はヒット0本で勝つことでしょうし、僕自身、コーチとして目指しているところはそこなんです。先頭がフォボアールで出て、盗塁して、犠打で三塁に送って、犠牲フライで1点です。だから、ゲームでは3割という100点を目指すだけにならないように。そういう意識を選手が持てたから、アウトもムダにしない、後ろにつなぐ野球ができてきたんだと思います」

つづく

(=敬称略)

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