不屈の男・マギーが巨人で味わう「腹の中を蝶が飛び回るような緊張感」 (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 翌年、マギーはマイアミ・マーリンズと契約を交わし、メジャーに復帰。その勢いは止まらず、打率.287、76打点の成績を残し、カムバック賞を受賞する。それだけではなく、サードの守備ではナショナルリーグ1位の守備率を誇るなど、攻守で活躍を見せた。

 だがその翌年、再びスランプに陥ってしまう。この年、マギーはサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーすることになるのだが、49試合で打率.213、2本塁打、11打点と振るわず、7月に自由契約。その後、マーリンズと再契約を果たしたが、60試合で打率.182、0本塁打、9打点と低迷したまま、オフに解雇となった。

 そして昨年は、デトロイト・タイガースと契約を交わすも、わずか30試合の出場にとどまり、打率.228、0本塁打、1打点。シーズンの大半を3Aのトレドで過ごし、11月に再び解雇を言い渡された。

 そんなマギーに声をかけたのが巨人だった。昨年はマギーにとって不本意なシーズンとなったが、巨人は彼の復活に賭けたのだ。マギーは巨人に入団し、再び日本でプレーすることについて、次のように語っていた。

「私のキャリアのなかでのアップダウンで、ひとつ大切なことを学ぶことができました。野球という競技は、何が起こるのか言い切ることができません。だから、未来のことを心配するのではなく、今できることを精一杯やるようにしているんです。今の自分がどんな状況かを見極め、それに対してできる限りのことをして、あとは天に任せるようにしているのです。日本に戻ってこられて、ワクワクしています。だって、ここでチャンピオンの喜びを味わえましたから。私にとって日本は、特別な場所なんです」

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