WBC「A組」で開催国の韓国がピンチ。日本も他人事じゃないが... (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 その最大の理由は、結束力だ。これはオランダに限ったことではないが、「母国のユニフォームを着て共にプレーする」という意識が強いチーム(国)ほど、WBCで好結果を残している。オランダの選手たちは、メジャーという"異国"で日々プレーしているぶん、集まるときの結束力は強くなる。これは韓国や日本には当てはまらない感覚だろう。

 今大会で同じA組、本戦初参加となるイスラエルも同様だ。10年間で通算285本塁打のライアン・ブラウン(ブルワーズ)など、メジャーでもトップクラスの参加が期待されたものの、結局は3Aクラスの編成となった。それでも2016年9月にニューヨーク・ブルックリンで開催された世界最終予選を勝ち抜いたメンバーは、マイナークラスながらも、手堅い布陣と見られている。

 以前、NPB関係者からも「軽視していたら痛い目を見る。NPBでも最初にデータ収集し始めたのは、韓国でもキューバでもなく、イスラエルでしたから」という話を聞いたことがある。

 ちなみにA組で大会のオープニングゲームとなる3月6日のイスラエルvs韓国戦には、すでにジェイソン・マーキーの先発が公表されている。38歳のベテランで、メジャー14年間で124勝(118敗)の成績を残している投手だ。昨季は所属先がなくプレーしていないが、9月の予選では2試合登板し、健在ぶりを披露している。

 オランダ、イスラエルに比べて台湾は、明らかに戦力ダウンしている。プロとアマの間での長年にわたる主導権争いがここに来て激しくなり、いわばボイコットする形でプロの「ラミゴ・モンキーズ」が選手の拠出を拒んだ。

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