清宮以外も大砲候補がゴロゴロ。2017年ドラフトは「野手が大豊作」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「投手豊作年」から「野手豊作年」へ――。

 2016年のドラフト会議は5球団の1位指名が重複した田中正義(創価大→ソフトバンク1位)を筆頭に、好投手がひしめいた。一方で野手は「人材難」という見方が大半だった。

現在、高交通算78本塁打を放っている早実の清宮幸太郎現在、高交通算78本塁打を放っている早実の清宮幸太郎 だが、明けて2017年は今のところ「野手豊作年」になる可能性が高い。その中心的存在は、間違いなく清宮幸太郎(早稲田実/一塁手)になるだろう。

 高校2年を終了した時点で高校通算78本塁打。器用さと豪快さを兼ね備えた打撃力だけでなく、清宮にはすでに国民的知名度とスター性がある。あるスカウトは言う。

「家庭環境がそうさせているのか、メンタル面が特殊。間違いなく『星』を持っています。先輩の王(貞治)さんのように、高校からプロに挑戦してくれるといいんですけど」

 現時点で、本人はプロ志望か進学志望かを明らかにしていない。また、右肩に古傷を抱え、ポジションが外国人選手やベテランと競争になる一塁手という点でプロ側からの評価が下がる可能性もある。それでも大きな故障などがない限り、今年のドラフト戦線は清宮の名前が常に先頭を走ることになるだろう。

 そして、清宮に刺激を受けたわけではないのだろうが、今年はスラッガータイプの逸材が多い。

 高校生では、安田尚憲(履正社/三塁手)、村上宗隆(九州学院/捕手)、岡田悠希(龍谷大平安/外野手)。大学生では岩見雅紀(慶應義塾大/外野手)。社会人にも谷田成吾(JX-ENEOS/外野手)、丸子達也(JR東日本/一塁手)、前野幹博(ヤマハ/三塁手)、北川利生(日本通運/外野手)といった人材が並ぶ。

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