167cmの日本ハム・谷元圭介を1億円投手にのし上げたマウンド度胸 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Syogo

 その武田とチームメイトになり、数年は先発とリリーフの併用が続いていたが、2014年からはリリーフに定着。そこから3年連続で50試合以上に登板している。栗山監督からも「ランナーを置いた場面で出す投手は、絶対に谷元。だって、度胸がある」と絶大な信頼を寄せられている。

 栗山監督がいう「度胸」が如何なく発揮されたのが、昨シーズンの9月21日に行なわれたソフトバンク戦だった。勝てば日本ハムがソフトバンクに代わって首位に立つという天王山の試合は、先発の大谷翔平が8回1失点と好投し、2-1とリードしたまま最終回を迎えた。

 だが、この日は大谷の後を受けたアンソニー・バースが誤算だった。先頭の長谷川勇也に二塁打を打たれ、その後も死球と犠打で1死2、3塁と、あっという間に窮地に追い込まれる。この場面で、ケガで登録を抹消されていた守護神のマーティンの代わりに「火消し役」を任されたのが谷元だった。

 一打サヨナラ負けのピンチに、さぞかし緊張していたのだろうと思いきや、谷元はその時の心境を「いや、いつもとあまり変わりませんでしたよ。僕が出したランナーじゃないですから」とサラっと振り返った。

 気負いなくマウンドに上がった谷元は、9番の髙谷裕亮を三振に仕留め、1番の江川智晃にはセンターへ大飛球を打たれたが、これを陽岱鋼がスーパーキャッチ。見事にピンチを切り抜けてみせた。

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