育つまでガマンできなかった巨人。「30億円大補強」は吉と出るのか (2ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • photo by Kyodo News

 また、フリーエージェント(FA)戦線では、史上初めて同年に3人の選手の獲得に成功した。まずDeNAから3年総額7億円(推定)で山口俊を加えた。高橋監督は「彼はタフで、1試合を投げ切ることができるピッチャー。完投してもらえるタイプ」と大きな期待を寄せる。

 2016年の巨人でシーズンを通して先発ローテーションを守ったのは菅野智之と田口麗斗のふたりだけで、完投は菅野が5、田口が2、マイコラスが1の計8試合だけだった。昨シーズン、故障で離脱した時期がありながら5度の完投をマークした山口俊も「1試合でも多く完投できるようにしたい。そして貯金ができるように」と自覚を口にする。

 リリーフは山口鉄也の調子が上がらず、戸根千明らもなかなか安定した投球を続けられないなど、左の中継ぎが不安視されていた。そこへ、ソフトバンクから森福允彦の補強に成功。

 森福は2011年から4年連続50試合以上に登板し、昨年も50試合を投げ、防御率2.00と安定した数字を残している。

 高橋監督が「ジャイアンツは終盤で試合を落としてしまうケースが多かった。森福には、これまでの役割、実績を出してもらって、1イニングでも2イニングでも多く投げて、チームの力になってほしい」と語るように、弱点強化を担う存在だ。

 その森福は「同じポジションである山口さん、戸根くんと切磋琢磨していきたい。チームメイトでもあり、ライバルでもあるので、負けないように頑張りたい。山口さんとは登板数、ホールド数を争っていきたい」と頼もしい言葉を口にする。

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