掛布二軍監督が語る、2017年のタイガース
「鳴尾浜からの超変革」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

── そのあたり、ご自身を含めた "当時の若手"と "今の若手"に違いは感じますか。

「全体的に今の選手の方が練習をしていると思いますし、環境もスタッフも当時よりは間違いなく整っています。ただ今の選手に感じるのは、ひとりで練習できる選手が少ないということ。自分ひとりで何かをやる、という時間をどこかでつくらないと出てこない強さがあるんですけど、そこが欠けているような気がしますね」

── 誰かと一緒にやるのは得意だけど、ひとりは苦手。そのあたりがプレーに出ることはありますか。

「出ますね。打席でも、守りでも、結局、助けてくれるのは自分なんです。野球はチームプレーですけど、サードに飛んできた打球は僕が処理して、きっちり投げることでチームのためになるわけです。ひとりの野球をできることが、チームプレーの前提なんです。このあたりの感覚が足りない。だから、普段からそういう話はしますし、自分で考えた練習をさせる時間もつくっています」

── そのあたりの野球観や指導について、金本監督と通じる部分が多いのでしょうか。

「年齢は離れていても野球観は近いものがあると思います。高校、大学の違いはあっても、どちらもドラフト下位指名の叩き上げタイプ。選手として育った環境が近いことが大きいように思います」

── 一軍、二軍が一体となって改革を進めるには、両監督の意思疎通や方向性の共有は必須です。

「金本監督とは常に意見交換して、シーズン中は電話で直接話すこともありますし、今でも必要ならここからでもかけられますよ(笑)」

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