阪神はドラフト3位の「超素材型右腕」才木浩人をビッグにできるか (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 ちなみに、大阪桐蔭時代の藤浪もテイクバックについて試行錯誤を繰り返していた。入学当初はいわゆる"アーム式"に近い大きなテイクバック。そこから少しずつたためるようになり、2年秋から翌年春のセンバツまでの間に、「体の軸に巻きつくイメージ」で側頭部から手が離れないテイクバックを求め、それなりの時間をかけて取り組み、手に入れた。それを考えると、才木の能力の高さが際立つ。しかも、驚きはこれで終わらない。

 自ら"かまきり投法"と呼んでいたこのフォームを、夏の大会後にまた変えたのだ。ドラフト後に見た才木のフォームは、たしかに夏前よりテイクバックが大きくなっていた。本人曰く、「春と夏の間ぐらいの大きさにしました」とのことだ。その理由がこれだ。

「夏に関しては、右腕をたたんだ形がベストだったと思います。でも、そこから鍛えて体も強くなって、今なら腕を少し大きく回しても緩まずに回転できる。夏のテイクバックだと球速の大きなプラスは難しいと思って変えました。意識的には体を小さく、そして速く回転させる。まだ馴染んでいないですけど、しっくりくるようになればいいボールが投げられると思います」

 ここで才木のサイズについて紹介したい。身長は先述の通り187センチ、両手を広げたときの腕の長さが200センチ、手の大きさは22センチだ。ちなみに、藤浪は順に196.5センチ、208センチ、20.5センチ。ただ、同じ大型投手でもダルビッシュ有は腕の長さで松坂大輔よりも短く、手の大きさも19.3センチ。

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