ホークスOBが広島カープに贈る「優勝からCSまでの過ごし方」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Kyodo News

「NO MORE 10月の悲劇」――カープがホークスのような悪夢を見ないために必要なものは何か? また、当時のホークスに何が起きていたのか?

 当時、絶対的エースだった斉藤和巳氏、主力野手だった柴原洋氏のふたりに、当時の舞台裏、そしてカープがCSまでの1カ月ですべきことは何なのかを聞いた。

●斉藤和巳氏

 今年のカープでいちばん目立ったのは打線でした。正直、ここまで打つとは、開幕前はまったく想像できませんでした。優勝決定の試合は、ヤフオクドームで解説の仕事をしたあと、そのまま残ってテレビで見ていました。黒田(博樹)さんの涙はグッときましたね。それに緒方(孝市)監督のインタビューもすごく印象的でした。

 今年のCSファイナルは10月12日から。やはり、簡単な戦いではないと思います。セ・リーグ王者としてCSに挑むのは、当然、初めての経験ですからね。どれだけ頭をひねって対策を立てても、そのときにならないとわからないことがあるんです。

 僕たちが初めてプレーオフを戦った04年が、まさにそうでした。情報もノウハウもまったくないわけですから。あの年は、ペナントレース最終戦からプレーオフ初戦まで中12日空きました。公式戦を戦っているうちはまだよかったんですけど、練習ばかりの日が続くと緊張感を保つのが難しくなってきました。

 時間が長く感じるというか、とにかく変な感じです。レギュラーシーズン1位()になってホッとした部分があったのも事実でしたし......。だって、長いシーズンを戦って1位になることの方が難しいじゃないですか。短期決戦はどっちに転ぶのかわからない戦いですからね。※当時は1位通過というだけで、リーグ優勝は最終的にプレーオフを勝ち抜いたチームに与えられた 

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