ロッテ平沢大河は、立浪以来の開幕スタメン高卒内野手となるか?

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 今年のドラフト会議では、育成ドラフトを含めれば総勢116名の選手が指名され、辞退した1名を除いて全員がプロに進んだ。その中で、高校生は39名。かつては、「高校生はファームで3、4年鍛えてから......」と決まり文句のように言われてきたが、その言葉を真っ向からひっくり返し、開幕一軍どころか、「開幕スタメン」の可能性を秘める逸材がいる。それがロッテから1位指名を受けた平沢大河(仙台育英)だ。

ロッテから1位指名を受け入団した平沢大河。背番号は13に決まったロッテから1位指名を受け入団した平沢大河。背番号は13に決まった

 今年の春から夏にかけて、平沢の成長ぶりは凄まじかった。センバツこそ2試合で9打数2安打と持ち味を発揮できなかったが、その後の東北大会、練習試合で本領発揮。

「仙台育英の平沢大河、彼は攻めようがない。ウチのチームは満塁でも敬遠しましたよ。勝負にいって、投手が自信を失ってもね......。経験にならない? ええ、いいんです。ウチの県にあんなバッターはいませんから」

 何度も甲子園に出場している高校の監督でも、平沢のバッティングにはお手上げ状態だった。

「彼は自分のストライクゾーンを持っていて、かなりの確率でヒットにしてしまう。ミート力もスイングスピードも抜群なんで、ピッチャー返しの打球が選手に当たらないか、そっちのほうが心配で......」

 平沢と対戦したことのある監督は、言葉の端々に隠しきれない本音をにじませ、平沢の力量を証言した。

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