2013年プロ野球「記録」と「記憶」の10大ニュース (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

第9位 松井裕樹(桐光学園)5球団競合の末、楽天に入団

2013年ドラフトの目玉、桐光学園・松井裕樹を1位指名したのは5球団。日本ハム、横浜DeNA、ソフトバンク、中日、楽天の順にクジが引かれたが、交渉権を獲得したのは最後の楽天だった。11月28日に入団交渉を行ない、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約。背番号は「自分の野球の原点は高校野球。そこで長く付けさせてもらった番号でスタートしたい」という本人の希望により「1」に決まった。2年夏の甲子園で見せた驚愕の奪三振ショーをプロでも披露できるか。田中将大のメジャー挑戦が決まった今、松井にかかる期待は大きい。

第10位 山井大介、3度目の正直でノーヒット・ノーラン達成

 山井大介(中日)の名前を聞いて思い出されるのが、2007年の日本シリーズだ。日本ハム相手に3勝1敗と日本一に王手をかけた第5戦。中日の先発を任されたのが山井だった。山井はキレのあるストレートと鋭く曲がるスライダーを武器に8回を終えてひとりの走者も出さない完璧なピッチングを披露。しかし、快挙達成まであと1イニングとなった9回、マウンドに上がったのは守護神・岩瀬仁紀だった。この瞬間、大記録は夢と消えた。その山井は、2010年にも巨人相手に8回まで無安打に抑えていたが、9回にヒットを許し快挙を逃している。

 そして今年6月28日の横浜DeNA戦。山井は4つの四球を与えたもののヒットは許さず、史上77人目(88度目)となるノーヒット・ノーランを達成。3度目の正直でようやく達成した快挙だった。だが、それ以降は目立った活躍がなく、5勝6敗、防御率4.15でシーズンを終えた山井。オフの契約更改では落合GMから減額制限いっぱいの25%減となる2000万円のダウン提示を受けサイン。快挙達成の後は、「信じられない。嬉しいのひと言」と興奮を隠せなかった山井だったが、契約更改後は「今回の査定にノーヒット・ノーランは関係なかった」としみじみと語った。
                  
 さまざまなことがあった2013年のプロ野球だが、最後に今年お亡くなりになった球界の功労者の方々のお名前を記します。

大友工氏(元巨人)
アニマル・レスリー氏(元阪急)
相馬勝也氏(西武ファームディレクター補佐兼育成担当)
土橋正幸氏(元ヤクルト監督)
川上哲治氏(元巨人監督)

上にお名前を記していない方々も含めて、心よりご冥福をお祈りいたします。

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