日本一への不安要素。巨人は「Kスタ宮城」が苦手!? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Nikkan sports

 一方、東京ドーム以外(主催試合を含む)の球場での勝敗はどうか。

2009年 81試合 49勝26敗3分 勝率.653
2010年 80試合 37勝42敗1分 勝率.468
2011年 81試合 37勝36敗8分 勝率.507
2012年 80試合 39勝32敗9分 勝率.549
2013年 80試合 45勝32敗3分 勝率.584

 2009年はかなりの勝率で勝ち越しているが、それ以外は2010年の負け越しをはじめ、勝率を落としているのがわかる。そしてもうひとつ面白いデータが、屋外球場での成績だ。今季、東京ドーム以外でも勝ち越している巨人だが、屋外球場に限っては47試合で21勝23敗3分と負け越している(単発開催の地方球場での試合は除く)。

 屋外球場はドームと違って、太陽や雨、風、暑さ、寒さ......など、自然が大きく影響する。そして屋外球場には、それぞれその球場ならではの「特徴」がある。ヤクルトのウラディミール・バレンティンは以前、こうコメントしていた。

「神宮球場のレフトポール周辺は、風があるので打球が伸びるんです」

 屋外球場で試合をする時は、その日の天候もそうだが、その球場の「特徴」をどれだけ熟知しているかが重要になる。今シーズンの巨人の屋外球場での成績を見る限り、苦手意識があるのは明らかだ。

 そして巨人が日本一連覇を懸けて戦う日本シリーズは、10月26日に楽天の本拠地・Kスタ宮城(以下、Kスタ)で開幕する。かつて楽天で守備・走塁コーチを務めた高橋雅裕氏は、Kスタの特徴についてこのように語った。

「東京ドームは打球が外野を抜けても三塁打の心配はほとんどありませんが、Kスタはそうはいきません。さらに、ポール際のフェンスの跳ね返りが他の球場とは違うんです。打球に角度があっても、右や左には転がらず、壁当てをした時のように正面に返ってくる。二塁打が三塁打になったりしますし、一塁走者が一気にホームに還ってくる可能性もある。Kスタに合わせたポジショニングに対応できるかが重要なんです」

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