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大谷翔平の2023年シーズンはどこがすごいのか 鶴岡慎也は「再現性」に注目する (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Getty Images

── 7月22日現在、打率.302(リーグ6位)、35本塁打(同1位)、76打点(同2位)の成績を残しています。本塁打王はもちろん、三冠王も狙える数字です。

鶴岡 本塁打王争いのライバルであるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)選手が右親指痛で故障者リスト入りし、現在は独走状態です。ただ、プレーオフ争いが熾烈になるシーズン終盤、エンゼルスはマイク・トラウト選手やアンソニー・レンドン選手ともにケガで離脱しているため、大谷選手はどこまで勝負してもらえるのかという不安はあります。四球OKで際どいところを攻められ、歩かされるケースも増えてくるでしょう。本塁打や安打にできる球は間違いなく減ってくるでしょう。そのなかで自分のバッティングをどこまで貫けるか。そこがカギになってくると思います。

── 投手成績は、19試合に登板して8勝5敗、防御率3.71。111.2イニングで148個の三振を奪うなど、奪三振率は11.93。

鶴岡 先発投手なのに、奪三振率がストッパーのような高い数字です。大谷選手の場合は、160キロを超えるストレートに、シンカーもそれ同等のスピードが出ます。さらにスプリットはよく落ちるし、スイーパーも曲がりも鋭い。空振りを奪えるボール、要するにウイニングショットが多いので、このすごい数字になるのも納得です。

 見ているファンは数字面で楽しませてもらっていますが、大谷選手の目標はあくまでプレーオフ進出です。ただ、大谷選手のパフォーマンスが上がれば上がるほど、チームが勝つ確率も高くなります。

── 投手でもタイトルを狙える位置にいると思いますし、サイ・ヤング賞も夢ではありません。鶴岡さんは具体的にどのあたりの成績を期待しますか。

鶴岡 勝ち星は後半伸ばして15勝、ホームランは50本に到達するのではないかと思っています。個人的には本塁打王、打点王のタイトルをとってほしいですね。あと"サイクル安打"未遂も6度ほど記録していますが、2度目の快挙達成もあるんじゃないかと。打って、投げて、走って......しかも高いレベルで披露するわけですから、ちょっと考えられないですよね(笑)。


鶴岡慎也(つるおか・しんや)/1981年4月11日、鹿児島県生まれ。樟南高校時代に2度甲子園出場。三菱重工横浜硬式野球クラブを経て、2002年ドラフト8巡目で日本ハムに入団。2005年に一軍入りを果たすと、その後、4度のリーグ優勝に貢献。2014年にFAでソフトバンクに移籍。2014、15年と連続日本一を達成。2017年オフに再取得したFAで日本ハムに復帰。2021年オフに日本ハムを退団した

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