筒香嘉智が3球団目で成功した理由は? メジャーを渡り歩いた斎藤隆が分析

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

 メジャーリーグの2021年レギュラーシーズンがまもなく終わろうとするなか、今季3球団目のピッツバーグ・パイレーツに移った筒香嘉智が猛打を炸裂させている。27試合で71打数21安打、打率.296、7本塁打、OPSは1.083だ(現地9月16日時点)。

 今季、タンパベイ・レイズでは打率.167、ロサンゼルス・ドジャースでは12試合3安打と低迷したなか、パイレーツ加入後に突如打ちまくっているのは、なにか理由があるに違いない。各メディアが関心を寄せ、謎を解こうとしている。

サヨナラHRを打ってチームメイトに手荒い祝福を受ける筒香嘉智サヨナラHRを打ってチームメイトに手荒い祝福を受ける筒香嘉智この記事に関連する写真を見る 果たして、筒香は日本時代の打撃を取り戻すことができたのか、あるいはマイナーリーグで新たな感覚を掴んだのだろうか。

「そこに関しては短時間で伝えるのは難しい。両方もちろんあると思う」

 9月4日のシカゴ・カブス戦後、記者の質問に筒香はそう答えた(翌日の『スポーツニッポン』電子版より)。スイングの始動が早くなったという指摘や、広角に打つ意識が功を奏しているという声もある。

 真相は今季終了後に筒香自身が語るだろう。日本人打者がどうやってメジャーに適応したかは興味が尽きないと同時に、活躍の背景として見逃せないのが環境要因だ。

「ナ・リーグの中地区は、バッターが最初に行くにはすごくいいところだと思います。これまでは行く先々でデカく感じる球場が多かったと思いますが、中地区には日本に近いような大きさの球場が多いので、バッターにとって非常に優位ではないかなと」

 そう語るのは、元メジャーリーガーで解説者の斎藤隆氏だ。

 実際、「ピッチャーズ・パーク」「ヒッターズ・パーク」という表現が使われるように、球場がパフォーマンスに及ぼす影響は無視できない。MLBが運営するデータサイト『ベースボール・サーバント』でパーク・ファクター(2019-2021)という「球場別の得点や本塁打の出やすさを表す指標」を見ると、15位以内に入った球場は以下の内訳だった。

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