ついにマエケンも失点。救援陣ガス欠のドジャースは息を吹き返せるか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 最後は9回から登板したジャンセンが、10回裏にブレグマンにサヨナラ打を献上して"ジ・エンド"。これでジャンセンは第2、4、5戦と3登板連続で1点ずつを許しており、「リーグ最高のクローザー」と呼ばれたワールドシリーズ前までの面影は見られない。

 もちろん、ヒューストンのミニッツメイド・ パークは打者有利の球場で、アストロズはメジャー最高級の強力打線を擁しているのだから、時に打ち込まれてもやむを得ない。このワールドシリーズではシーズン中とは違う滑りやすいボールを使っているという疑惑まで噴出し、ピッチャーに不利な条件なのは事実なのだろう。ただ、ドジャースにとって不吉なのは、ブルペンの主力投手たちに確実に疲れが見えていることだ。

「10月のこの時期はそういうものだ。アストロズにとっても同じこと。みんなに負担がかかってくるんだ」

「疲れているのは誰でも同じ」というロバーツ監督の言葉は、おそらく真実ではある。実際に、もともと力が劣ると目されていたアストロズの救援陣は、ドジャース以上の惨状だ。ただ、今季のドジャースはシステム化した継投策で勝ち抜いてきたチームだけに、ここでのガス欠は余計に不安材料に思えてくるのだ。

 今季、レギュラーシーズンでドジャースの先発投手が100球以上を投げたのは24試合のみ(そのうち半分の12試合はカーショウ)。プレーオフ突入以降も、先発で85球以上を投げたのは、10月6日の地区シリーズ第1戦とワールドシリーズ第5戦に登板したカーショウだけだ。今シリーズ第2戦、第4戦でどちらも1失点と好投していたリッチ・ヒルとアレックス・ウッドが、それぞれ60球、84球で降板したことが象徴するように、ロバーツ監督は早め早めの投手交代を貫いている。

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