青木宣親の来季はメッツ残留か?ヤクルトか? ここが勝負の1カ月 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 アストロズの一員として開幕を迎えた青木の2017年シーズンは、波乱に満ちたものとなった。6月に日米通算2000本安打を達成したものの、7月末にトレードでブルージェイズに放出され、8月28日には戦力外通告を受けた。


 この時点で打率は.274と一定の成績を残してはいたが、そのままシーズンを終えていれば、青木はメジャーでプレーする場を失っていたかもしれない。しかし、9月2日にメッツと契約を交わし、ようやく力を発揮できるチームに辿り着けたように思える。

 今季のプレーオフ進出が難しくなったメッツは、夏頃から来季に向けたチーム作りを始め、トレード期限前にカーティス・グランダーソン、ジェイ・ブルースといった実績ある外野手を放出した。それに加えて、8月にはヨエニス・セスペデス、マイケル・コンフォルトという主軸が揃って戦線離脱。外野陣の選手層が極端に薄くなってしまったことで、チームは青木の獲得に動いたのだった。

「(青木は)打力があり、今季のOPS(出塁率と長打率を足し合わせた数値)は自己最高に近く、外野をどこでも守れるから起用法を容易にしてくれる。シーズン終了後はどうなるかはわからないが、このメッツで多くのプレー機会を得るはずだ」

 2007年、2008年にオリックス・バファローズの指揮官も務めたテリー・コリンズ監督がそう語る通り、残る試合の中で青木のプレータイムは豊富にあるだろう。

 今季のメッツは本塁打の数こそナ・リーグ2位ながら、打率と出塁率は同12位。粗い印象がある打線なだけに、左打ちのコンタクトヒッターは重宝されるように思える。これからの1カ月間、青木が広大なシティフィールドで本領を発揮し、高打率を残しても驚きはない。

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