イチローの去就にも影響か。どうなる、ジーターのマーリンズ買収問題 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 買収者の有力候補に挙がっているのは、かつてのアメリカ大統領の弟で、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュがリーダーとなったグループ。ジーターが属しているのはこのグループで、他には金融大手モルガン・スタンレーで投資運用部門の責任者を務めたグレゴリー・フレミングも参画しているとされる。

 一方、その対抗馬になっているグループは、共和党の元大統領候補を父に持つ実業家のタグ・ロムニー氏、元ブレーブスの投手として通算305勝を挙げたトム・グラビン氏のグループだ。報道を総合する限り、現状でより多額の資金を有しているのはこのロムニー、グラビンのグループのようだ。MLB側は「効果的に球団運営できる財政基盤を持っているオーナー」を望んでいるとされ、そんな背景から、「ジーター危うし」と伝えられるに至ったのである。

 この件に関しては、今後の動向を見守るしかない。ロムニーとグラビンがジーターの引き抜きを画策しているといった真偽不明のニュースもあり、その行く末は極めて不透明。ただ、現時点でひとつだけはっきりしているのは、球界の中でジーターへの期待感が消えてはいないということだ。

「いいオーナーになるはずだ。彼は常にその希望を持っていた。現役時代はとても情熱的にプレーし、しっかり準備した選手だったから、他に何をやっても同じようにやるのだろう。デレクなら何をやっても成功するさ」

 元同僚のアンディ・ペティットが述べたそんな言葉に代表されるように、メジャー関係者たちは、ほぼ共通してジーターがオーナーとしても成功すると確信しているようだ。

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