「現役バリバリ」は本当か?新助っ人メジャーリーガーの現地での評判 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 彼の最大の武器は、メジャー屈指と評される豪速球です。2015年以降の2年間のデータを見ると、カミネロが時速100マイル(約160.9キロ)以上の球を記録した回数は、実に145回。「人類最速の男」アロルディス•チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)の991回、マウリシオ・カブレラ(アトランタ・ブレーブス)の344回に次ぐ、メジャー3位の回数を計測しているのです。

 過去に多くの選手が「最速160キロ以上」という触れ込みで来日しましたが、本当にコンスタントに投げていたのかは不明なケースが多いです。しかし、カミネロはデータが示すとおり、コンスタントに100マイル以上を投げる正真正銘の豪速球ピッチャーです。この点は非常に魅力的なところでしょう。

 しかしながら、カミネロの評価がメジャーで高くないのは、これほど球が速いのにもかかわらず、投球回数以上の三振を奪えていない点です。2016年もパイレーツとシアトル・マリナーズの2球団で合計60イニング3分の2を投げているのですが、奪った三振の数は50個。また、速球投手にありがちな制球難も抱えており、33個ものフォアボールを与えています。

 アメリカでリリーフの地位を確立するためには、三振をしっかりと奪えないといけません。メジャーではリリーフ枠争いに勝つ見込みが薄く、トレードの価値も低いと見なされたようです。

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