165cmのスター二塁手にみる、菊池、山田がメジャーで活躍する条件 (4ページ目)

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by AFLO


小柄選手の活躍必須要素:その③ 
最後にして最大の要素? 「人間性」というツール


 メジャーリーグレベルになると、レギュラー選手と控え選手の野球技術の差は紙一重。マイナーリーガーも実力をつけており、MLB関係者は、「メジャーリーガーになるための最後の要素は、その選手の人間性だ」と誰もが口をそろえる。


 実際、小柄ながらメジャーで活躍した野手を見ると、アルトゥーベをはじめ、レッドソックスのダスティン・ペドロイヤ(175cm)、元カーディナルズのデイビッド・エクスタイン(170cm)、フィリーズで活躍したジミー・ローリンズ(172cm)など、チームのムードメーカーで、そのうえリーダーシップを備えた選手が多い。


 また、小柄な選手が多いラテン系の優良選手は、必死に英語をマスターするなど、いち早くアメリカの生活に慣れ、チームに溶け込もうとする意識が強い。意外に知られていないが、メジャーでレギュラーを張れるか否かは、この要素が大きく左右する。その点では、プレー中はおとなしい印象のある山田より、やんちゃな性格でベンチを盛り立て、世代に関係なくコミュニケーションを積極的にとる菊池のほうが、メジャーでもすんなりとチームに溶け込めそうだ。


 日本駐在のMLBスカウトたちは、「毎年、日本人選手のレベルは飛躍的に上がっており、技術的にはメジャーレベルに達している選手は相当数いる」と話す。将来、メジャーでの活躍を思い描いている日本人選手は、この要素を磨いてくのがその近道になるかもしれない。

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