カブス108年ぶり世界一の裏に、凄腕フロント「5ヵ年計画」があった (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
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 その結果、マドン体制となった2015年はメジャー全体3位の97勝(65敗)を挙げ、ワイルドカード(ナ・リーグ中地区3位)ながら7年ぶりにプレーオフに進出。さらにリーグチャンピオンシップシリーズまで駒を進め、最後はニューヨーク・メッツに敗れはしたものの、若手の台頭によってカブスの急成長を全米中に知らしめました。

 エプスタインの5年契約最終年となった2016年。カブスは積み上げてきたものを一気に爆発させます。投げてはメジャー断トツの防御率3.15をマークし、打ってはメジャー2年目のブライアントが打率.292・39本塁打・102打点とMVP級の大ブレイク。メジャートップの103勝(58敗)を挙げる圧倒的な強さで地区優勝を果たしました。

 その勢いはポストシーズンに入っても止まらず、特にスタメン9人のうち5人が24歳以下という若いカブス打線が大暴れ。リーグチャンピオンシップシリーズでは23歳のバエズが攻守にわたる活躍でMVPとなり、ワールドシリーズでは22歳のアディソン・ラッセルがシリーズ合計9打点を挙げました。

 もちろん、カブスは若手の力だけで世界一になれたわけではありません。キャンプ後に再契約した30歳のデクスター・ファウラーは今年もシーズンを通して活躍し、ワールドシリーズ第7戦ではいきなりの先頭打者ホームラン。不動の1番バッターとしてチームを牽引していました。

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