今年のワールドシリーズは「マーリンズ対マリナーズ」? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 このように伸び盛りの若手外野手3人に、ベテランのイチロー選手が加わることになりました。打撃のみならず、守備力も高まったマーリンズの外野陣は「メジャー最強」と言われています。

 一方、ア・リーグで評価を伸ばしているチームは、西地区のシアトル・マリナーズです。2001年にイチロー選手が入団した年以来、マリナーズはプレイオフに一度も進出できず低迷していました。しかし昨年、ようやく復調の兆しを見せ、今年はキャンプから注目度が高まっています。西地区にはオークランド・アスレチックスや、ロサンゼルス・エンゼルス、テキサス・レンジャーズなど強豪チームがそろっていますが、それらを差し置いて、「地区優勝はマリナーズ」という声が沸きあがっているほどです。

 その高評価の核となっているのは、安定度抜群の投手陣でしょう。昨年のマリナーズは、ナショナルズに次ぐメジャー2位のチーム防御率3.17をマークしました。しかも、失点数だけを見ると、メジャー30球団で最も少ない554失点だったのです。この数字は、ストライキによる短縮シーズンをのぞけば、ア・リーグでは1975年のボルチモア・オリオールズ以来となる低い失点数でした。

 磐石を誇る投手陣は、フェリックス・ヘルナンデスと岩隈久志投手の2枚看板が今年も健在。ただ、今キャンプで評価を上げている要因は、3番手以降の投手が著しい成長を見せているからです。

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